なんでも書いていい紙

科学未来館で思ったこと②

前回の続きです。科学未来館に行った話の続き。


さて、以下の3つの点について書いていくということでした。

 


・「楽しく」よりも、「モヤモヤ」

・対話をしよう

・博物館との違い

 


僕が思ったことなのでミスリードがあるかもしれません。

一応2回未来館に行って上の3点に気をつけながら見てきたんですが…

個人の感想ということでお許しください。

 

 

 

●「楽しく」よりも、「モヤモヤ」

今回の未来館での授業で、たまたま未来館のSCさんとお話ししたり、質問させていただくことができました。

僕はその時に「専門外のことって聞かれてパニックにならないんですか?」と質問しました。


後で話しますが、非常に浅はかだったと思っています。

同じ科学技術コミュニケーションに携わる者として。

 

そこでSCさんがおっしゃっていたのが

 


「モヤモヤ」

 


です。

 

未来館の3階の常設展示「未来をつくる」の入り口には未来館の方針が書いてあります。

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日本科学未来館の展示のなかには、“答え”ではなく“問い”があります。」

 


科学ってすごい!はもちろんなんですが、それで終わってしまうとそこから先ってないですよね。

SCさんの中にも「答えならGoogleに聞けばいい」と仰る方がいました。


展示で答えは提示しない(というかできない)。

「どうすればいいんだろう」「どうやったら解決できるんだろう」といった「モヤモヤ」を抱えて帰ってもらうように、未来館はできていました。

 

 

 

●対話をしよう

「モヤモヤ」発散には手段が色々あると思います。1人で考える。一緒に来た友達と考える。家で家族に話してみる。等。

ここでSCさんの出番になります。


上でも述べたようにSCさんはGoogle先生ではないです。

それが僕にはわからななかったのであんな質問をしてしまったわけです…

 


さておき。

 


SCさんは「対話するのが大好き」だそうです。

その人の話ぶりから背景を読み解き、その人に合った形で対話を進めるそうです。

短時間で。本当にすごい。

「わからないこと」があった時は、詳しい人を呼んだり、人によっては一緒に調べてみるそうです。

本当に時間を惜しまず、楽しそうに対話をして下さる方々でした。

これが一番未来館で楽しいこと、醍醐味かもしれませんね~~

 

 


●博物館との違い

東京だともう一つ大きな科学の施設があります。

国立科学博物館です。


今年の3月に特別展の人体展に行ってきたのですが、ガリレオの直筆の資料とか本物の人間の臓器標本とかが展示されていて、とても見応えがあって楽しめるところでした。


一方の未来館なんですが、「実物」がほとんど展示されていません。

科博にあるような骨格標本や鉱物などは未来館にはありません。


繰り返しなんですが、未来館は「答え」を提供する場所ではないです。

実物そのものは言ってしまえば答えで、未来館が見せたいものはそれではなく、「最先端の科学技術」という概念です。


未来館の展示は、模型や図や映像等使ってこの概念が説明されていますが、正直僕は最初説明を聞いただけでは理解しきれませんでした。やってみて「なるほどな」と言った具合です。


展示の監修には研究者さんが入っていたり、もちろんSCさんや、有名なデザイナーさんなども携わっていました。

 

実物に頼らずに伝えるのはめちゃくちゃ難しいだろうな…と思います。


しかしそれを成り立たせている伝え方の工夫には、脱帽です。

 

 


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正直僕の今までのサイエンスコミュニケーションに対する考えが甘すぎました。

だから過剰に未来館を礼賛するような内容になっでいるかもしれません。

 


だってすごいんだもん…

 


実際に現場で「科学コミュニケーター」の名を冠して働いている方々の信念を垣間見ることができました。

また、僕の今までの科学技術コミュニケーター(見習い)としての行動を振り返るとてもいい機会になったと思っています。

 


以上、僕の未来館レポ兼ステマでございました!

 


みんな行こうぜ!

 


日本科学未来館 : http://www.miraikan.jst.go.jp

 

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科学未来館で思ったこと①

お久しぶりです。


しゃるうぃーだんす(@kisaraginodoka)です。

 


突然ですが、現在僕は学部の勉強以外にもう一つ大きな活動をしています。

 


北海道大学CoSTEPという組織で科学技術コミュニケーションに関する勉強と実践を行なっています。

 


科学技術コミュニケーションというのはアウトリーチであったり、対話の場を作ったり、一緒に働きかけたり、市民と専門家の間を埋めていく活動です。(と思っている)

 


僕のいるCoSTEPはアウトリーチとかよりも、市民と研究者が協働して双方向のコミュニケーションを出来るようにはどうするかと言ったところに関心があると思います。

 


さて、前置きはこの辺で。

 


今回、そのCoSTEPの授業の一環で東京はお台場の科学未来館に行ってまいりました。

未来館ではその名もズバリ「科学コミュニケーター」という方が働いてらっしゃいます。

 


そこで科学コミュニケーターさん(以下SCさん)に色々と実際のところを伺ってまいりました。

 


そのなかで、いくつか僕の頭には今までなかったことや、誤解していたこと、蔑ろにしていたことが色々と浮かび上がってきたので、備忘録的にブログを動かしてみようと思いました。(夏学は…草稿はできてるんですが…いずれ…)

 


主に以下のようなトピックです。

 


・「楽しく」よりも、「モヤモヤ」

 


・対話をしよう

 


・博物館との違い

 


今日は眠いのでこれ以上はかけないんですが、次に何でこんなことが大事に感じたかを、実際に未来館に行った感想と絡めて書いていこうと思います。

 


このブログもきっと科学技術コミュニケーション…?

 

11/11 : ではない→よりも に修正。

生物物理若手の会 夏の学校 レポ②【1日目】

実際に1日目の様子から順にレポをしていきます。

残念なことに僕は

・基礎知識がほぼないまま

・当日の拙いメモから

・恐ろしく歯切れの悪い文章

を書くことになります。

よってあまり本質に踏み込んだレポートができないことをお許しください。

 

また実際に夏学に参加された方で、補足や間違いなどがありましたらコメント、もしくはTwitterまでご連絡下さい。

 


◾️開会式

まずたどり着くまでが大変でした。なんてったって北海道ですもの。なんとかギリギリ10分前にたどり着いて、開会式。

お話自体はあまり覚えていないのですが、皆さんパソコンを開いてセットアップ万全のと言った具合で、普段紙とペンの僕はそれだけで怖くてちびりそうでした。

 


◾️オープニングセッション「タンパク質構造に関わるデータ科学と計算科学」

大阪大学蛋白質研究所所長をされていた先生の講演でした。

前半が今話題のデータサイエンスは本当に「科学」を生むのかといった内容で、後半は主にタンパク質の立体構造の安定性とかを計算で議論しようというお話でした。前半の「データ」は科学を生むかという点は興味深く、Twitterでアンケートが取られたりしてました。この点はさすが#bpss2018

 

 

◾️フラッシュトーク

参加者自身が1枚のスライドで50秒程度自己紹介をする企画です。初っ端から校長が分子モーターのダンスをしていたのは度肝を抜かれました。

見ているとやはり研究分野や専門分野が定まっている人が多かったですが、一方で学部生も割と多くて安心しました。僕はマイクを使わないで喋るガイジを炸裂させてしまいました。ごめんなさい…

それぞれの興味関心がわかったので、あとで話しかけやすくなった気がします。

 

 

◾️夕食

豪華(写真撮っとけばよかった…)

 

 

◾️ポスター発表

やりたい人が自分の研究をポスターにまとめて発表していました。

たぶん(すごく?)特殊だと思うんですが、夏学ではお酒を片手に行われます。ビールを飲みながら見たいポスターのところに行って説明を聞く贅沢すぎる時間でした。

1日目は油と水の密度差を0にしたらどうなるのかという研究と、クライオ電子顕微鏡で鞭毛タンパク質を観察した研究の2枚のポスターを拝見しました。クライオ電顕は名前だけ聞いたことあったので、今回実用例を見れてよかったです。

 

 

◾️部屋にて

ポスター発表後は一応就寝なのですが、話し足りない人はいくつかの部屋に集まって各々議論をしていました。部屋ごとにやんわりとテーマを決めて議論していたような気がします。

僕は同室の方と淫夢動画を見ていました。社会勉強ですね。

隣の部屋は「生物とは(生命とは)」で盛り上がっていたらしく、結論は「タンパク質」になったそうです。同室の化学系の方は「DNA」と答えていました。皆さんはどうですか?

 

 

2日目に続く

 

※2018/9/5 一部修正

生物物理若手の会 夏の学校 レポ①

「#bpss2018 ってなんじゃい。」

 


ここ数日の僕のツイートにはだいたいこんなハッシュタグが付いていたと思います。

実は8/27~8/30の4日間、岐阜で行われていた生物物理若手の会 夏の学校に参加してきました。

 

生物物理(biophysics)若手の会夏の学校(summer school)2018で#bpss2018です。僕の中では割と世界が急に8倍くらいに広がった感覚なので、これは忘れないうちに書かなければ、広めなければという事でわざわざこのためにはてなブログ始めました。ひぃー

 


そもそも「生物物理」ってなんでしょうか。

ウィキペディアさんによると

 


「生物物理学(英: biophysics)は、生命システムを物理学と物理化学を用いて理解しようと試みる学際科学である。生物物理学は、分子スケールから一個体、果ては生態系まで、全階層の生物学的組織を研究対象とする。」

 


だそうです。

つまり物理を使って生物を理解しちゃおうぜって言う学問で、具体的にはx線結晶構造解析とか分子動力学シュミレーションとかNMRとか…とにかく多岐に渡っていて、正直どこまでが生物物理なのか明確には言えません。

 

 

さて、今回参加した夏の学校ですが、簡単に言ってしまえば

 

「生物物理に興味のある学部生、院生、研究者の交流会」

 

です。学部生も僕の他に何人もいたんですが、僕と同室になった人はたまたま全員院生でした。

年齢層も幅広ければ僕のような生命科学系から、化学系、物理系、医学系、情報系、数学系…とそのバックグラウンドも幅広く、いかに生物物理が学際的な分野であるかを思い知らされました。

 


今回この生物物理若手の会 夏の学校(以下夏学)に参加した理由は大きく3つあります。

 


一つ目がなんか面白そうだったから。

もともと物理は(できないくせに)好きでした。物理を使って生物を解析できるってロマンがあると思いませんか?より生物に規則性が見出せそうっていうか。とにかく実体が分からなかったので、詳しい人に聞いちゃった方が早い!くらいのノリです。

 

 

二つ目が同世代の人たちから刺激を受けたかったから。

普段自分は結構なあなあ学生生活を送ってしまっています。夏学、いわば学会にわざわざ来るくらい向学心がある人達を見てみたい。そのへんの怖いもの見たさでの参加でした。

 

 

三つ目は危機感です。

僕が所属する北海道大学理学部生物科学科生物学専修分野は「生き物」を取り扱うところで、基本が個体レベルで一番ミクロで細胞集団です。寝ても覚めても生物で、物理・化学・数学などの他の自然科学にはほとんど触れません。

楽しいけど果たしてこれでいいのだろうか?生物の知識だけで、本当に生命の核心に迫っていくことは出来るんだろうか?そういう危機感のもと、たまには他の分野にも触れてみようと思ったわけです。

 

 

次の記事から具体的にどんなことを勉強したのか、そして自分なりに考えたことを紹介していきます。